空手道 空優会
おはようございます。
そこそこ、冷え込んでまいりました。
寒くなってくるといつも思い出す、父との会話があります。
今思うと、私の父は言葉を大切にする人間でした。
とくにポロっと口からこぼれる言葉に、とても厳しかったと思います。
私が小学生だった頃の、ある冬の日。
家の庭に出たとき、思わず
「あー寒い!寒い寒い。」
と、口から出てしまいました。
すると
「寒いって言うのは、心の貧乏人が言うことだ。そういうことを、すぐ口にするんじゃない。だいたい、このくらいは涼しい、くらいです。」
もちろん外はキンキンに冷えており、前回お話させて頂いたように、からっ風がびゅんびゅんと吹いている庭先です。
しかし小学生の私は、そうか、寒いという言葉はあまり使ってはいけないようだ、と素直に受け入れ、それからは「ずいぶん涼しくなってきましたね」などと言うようになりました。
それがここ数年、確かにそれは正しかった、と感じる出来事がありました。
中学校の必須科目の空手指導。
今の時期に体育館で半袖短パン、素足で授業。
とくに裸足になるのは確かに「寒い」かも知れません。
背中を丸めて入ってきて「寒い、足が冷たい、寒い」と震える生徒。
一方では、何か叫びながらキャッキャと笑って走り回っている生徒。
確かに「寒い」と口にした生徒には、全くエネルギーを感じません。
「良い解決策を教えてあげよう。寒くなーいっ!と思うことだ。」と両手を広げて見せましたが「無理、寒い〜」となってしまいました。
なんだか、裸足にさせている私が「ごめんね」と、申し訳ない気持ちになってしまいました。
その時、走り回ってる子が「あー暖かくなった!」と戻ってきて「先生、今日はチーム練習ですよね」と聞いてくれて、すごく嬉しい気持ちになりました。
本当にちょっとした事だと思います。
寒い→寒いことを全身で伝える
寒い→動いて暖かくなろう
2人とも行動を起こしましたが、一方は寒いことを伝えるために「寒い」と口にしたことで、自分の言霊がなおさら自分のエネルギーを吸い取っていく。
一方は、さっそく考えた解決策を実行し、心は前を向いて、頭はもう次のことを考えている。
一方は私のエネルギーも少し奪い、一緒は私に元気をくれました。
口からこぼれる言葉に気をつけなくてはいけない、マイナスな言葉ならなおさらです。
「暗いと不平を言う前に、進んで灯りをつけましょう」
さぁ今日も張り切って、いってらっしゃい!
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